パーツモデルとは、一般的なタレントとは異なり、手や足、バスト、体の一部のみのモデルのことを示します。
通称、フェチモデルと呼ばれるこのお仕事では、ヌードモデルと違い、裸になる必要はありません。
ハンドクリームの広告では手だけ、シャンプーの広告では髪だけ出演するといった具合に、一般的なモデルとは異なる特殊なお仕事です。
「顔には自信がないんだけど、足には自信がある」「メディアのお仕事には興味はあるけど、顔は映されたくない」
というような女の子には、うってつけかもしれません。
しかし、パーツモデルはそのパーツが際立って美しくなければお仕事が成立しないため、美しさを保つための日々の努力は欠かせません。
また、売れっ子モデルやタレントとはまったく立ち位置が異なるため、安定してお仕事が入ってくるかというとそうでもなく、一流のパーツモデルとして難なく活躍している人は、ほんの一握りです。
今回は、まだまだ謎の多いこのパーツモデルに関して詳しくまとめていきたいと思います。
▽この記事でわかること
パーツモデルのお仕事一覧
パーツモデルもタレント同様に、まずは事務所のオーディションに合格後、正式に事務所に所属してからお仕事をもらう流れになります。
それでは、一体パーツモデルのお仕事はどのようなものがあるのでしょうか?以下にまとめていきましょう。
雑誌の撮影
雑誌のヘアケア特集、ボディケア特集などの撮影を行います。ただパーツのみを撮影することもあれば、実際に指定された美容アイテムを使用してみてのビフォー&アフター撮影や、レビューも込みの撮影になることもあります。
チラシの撮影
エステや美容院などのチラシの撮影を行います。美容院ではタダでカットやカラーリングをしてくれることもありますが、必ずしも自分の希望の髪型にしてもらえるというわけではありません。
CMの撮影
主にボディケア、ヘアケア関連の、パーツに関する商品のCMに出演することが多いですが、中にはアクセサリーのCMや、あえて顔を出さないことがコンセプトのCM(ペットフードなど)からの依頼が来ることもあります。
最終的にはパソコン上でさらに美しくCG加工されることが多いです。
企業の発表用スチールへの協力
企業が商品を開発する際、その途中経過を企業内で発表するにあたって、資料作成のためにパーツモデルへ依頼が来ることがあります。髪の毛の一部を提供したり、実際に商品を使用してみてその過程を計測するという内容になります。
WEB素材の撮影
ホームページで使う写真素材を撮影するにあたり、パーツの写真素材作成の際には依頼が来ることがあります。
ただし、近年はパソコン上での加工編集技術が発達してきており、素人のパーツであっても綺麗に仕上げることが可能なので、最近だとこのような依頼はごく稀です。
パーツモデルの収入
パーツモデルは高収入という話はよく出回っていますが、果たして本当のところは…?以下にパーツモデルの収入に関してまとめていきましょう。
お給料は事務所に○%引かれる
所属している事務所によりけりですが、大体20~40%は事務所の取り分になります。(差し引かれた状態で手元に入ってきます。)
パーツモデルのお給料相場
パーツモデルの収入には相場らしい相場がなく、事務所に差し引かれる分や、撮影するパーツによっても以下のようにばらつきがあります。
・雑誌撮影:3~5万円
・CM撮影:5~10万円
・チラシ撮影:2~3万円
ものによっては撮影が短時間で済む場合もあるので、依頼が多ければ多いほど月収は高額になります。
収入が全くない月もある
前述したように、安定して依頼が来るわけではありません。売れっ子パーツモデルともなれば話は別ですが、成り立ての場合は月に撮影が1本あるかないかということもザラです。
パーツモデルのメリット
以下にはパーツモデルのメリットをまとめました。
撮影時の待遇が良い
撮影現場ではお弁当や飲み物やお菓子を手配してもらえたり、有名なタレントさんとお話し出来たりします。
お仕事がてら美容ケア出来る
お仕事によってはヘアカット代やトリートメント代、エステ代が浮いたり、美容関連のアイテムをタダで貰うことが出来ます。
「モデル」と名乗ることが出来る
パーツモデルであっても、立派なモデルです。お仕事を尋ねられた際に「モデルをやっています」と胸を張って答えることが出来、周囲(特に男性)の食い付きもいいので会話も弾みます。
パーツモデルのデメリット
以下にはパーツモデルのデメリットをまとめました。
ケアに気もお金も使う
パーツの美しさが命のお仕事ですから、相応のケアは欠かさず行うようにしないといけません。パーツに少しでも擦り傷、切り傷が出来てしまうと商品価値が下がりお仕事の依頼が来なくなってしまうケースもあるのがこの世界の現実です。
また、ヘアモデルの場合は自分の好きに髪の毛をカットしたり、カラーリングしたりすることが出来ません。一般的なモデルと同じように、食生活にも気を使っている人は多くいます。
仕事の依頼が安定しない
パーツモデルを本業に出来ている人はごくわずかで、大半は副業というスタイルでお仕事をしています。タレントも売れるまでは仕事がまったくないのと同じように、パーツモデルだけで食べていく、というのは至難の業になります。
罰金がある事務所がある
当然、大切な撮影の日に遅刻や欠勤をすることは言語道断ですが、他にもパーツの形や質が宣材写真と撮影当日で著しく異なることで、「イメージと違う」とキャンセルされてしまった場合には、事務所側から規約違反で罰金を請求されることがあります。
まとめ
最後になりますが、悪質な事務所だと高額な登録料や宣材写真料やレッスン料を請求してくることがあるので要注意です。パーツモデルを目指している人は、事務所選びの段階から入念に行わないといけません。
華やかな世界のように思えて、水面下での努力は必要不可欠であり、リスクもつきものであるということは念頭に置いておくようにしましょう。