AV業界進出へのきっかけはスカウトだったという女の子はたくさんいます。「1日で20万円稼げるよ」なんて言われたら、前向きに考えたくもなりますよね。
しかしこのスカウトですが、優良スカウトマンもいれば悪徳スカウトマンもいるので、これからAV業界で稼ごうと思っている女の子は気をつけなければなりません。
今回の記事では悪徳スカウトマンの被害に遭わないためにも、AV女優のスカウトマンの勧誘の手口や、被害を回避するための知識について紹介します。
▽この記事でわかること
AV出演を薦めるスカウトマンとは
AV女優のスカウトマンは、“AVプロダクションに女の子を所属させること”が主な仕事内容です。
具体的には、一般の女の子の中からAVに興味がありそうな子やAVに出たら売れそうな女の子を見つけ、コンタクトを取ってAVのお仕事を紹介し、出演がOKであればその女の子をAVプロダクションに紹介をします。
所属させるというと聞こえは悪いかもしれませんが、要は女の子とプロダクションの橋渡し的な存在だと思って下さい。
そもそも一般の女の子がAV女優になるためには、主に以下の2通りの方法があります。
- 自分でプロダクションを探して面接をして採用される
- スカウトによりプロダクションに出向き面接をして採用される
分かりやすく言えば自薦・他薦のようなもので、どちらもAVプロダクションとの面接は必須になります。
面接と言っても堅苦しいものではなく、女の子側とプロダクション側、双方の希望が一致するかどうかの話し合いのようなものだと思って下さい。
自主的に面接に来る女の子は自分でもAVの仕事が出来るかどうかを判断する目的が多いのに対し、スカウトの場合は予め仕事内容や報酬などは頭に入っており前向きにAV出演を検討しているため、意欲もあり採用率は高いです。
また、スカウトの場合は少なくとも容姿レベルが平均以上の女の子が多いことも、採用率が高い理由の一つです。
AVプロダクションがスカウト会社やスカウト業を専門とした個人事業主にスカウトを依頼する場合もあれば、AVプロダクションの採用担当者などが直々にスカウトに出向く場合もあります。
前者のようにスカウトを他業者に依頼した場合、その女の子を採用したらいくら、その女の子のAV売り上げの○%という形で、AVプロダクション側がマージンを支払う仕組みが一般的です。
しかし最近ではAV出演を希望する女の子が増加しているため、スカウトマンの需要は以前ほど高くなくなりました。
AV女優のスカウトマンの勧誘から出演させるまでの流れ
では、スカウトマンは、どのようにしてAVのスカウトを行っているのでしょうか。スカウトマンが一般女性を勧誘し、AVヘ出演させるまでの流れを説明しますね。
勧誘する
まず、スカウトマンは、脈略もなく、女性に声をかけなければなりません。
そのため、スカウトする相手が、こっちの話に興味を持ってもらえるようにする必要があり、服装や荷物から相手の特徴を拾いながら相手に興味を示してあげることが、会話を広げるコツです。
しかし、何の接点もない女性が、こちら側の話に耳を傾けさせるのは簡単ではないので、1日に何百、何千の女性に声をかけます。
また、筆者の知り合いのスカウトマンから聞いた話では、夜の仕事専用の求人雑誌を読む女性を見つけたら、積極的に声をかけると言っていました。
一般女性と比べて、仕事への必要性が高いからだそうです。
勧誘のタイミングが肝心である
また、スカウトは押す時と弾く時のタイミングを見分けることが大切だと言われています。
女性の顔色を見て、気乗りしないリアクションを見せたら、それ以上、押さず、反対にちょっとでも関心を示してきたら、思いっきり攻めの姿勢を見せます。
優秀なスカウトマンほど、こちら側の話に関心を見せてきた女性には、余計に考える時間を与えません。女性は、優柔不断で決めて欲しいと思う方が多いからだそうです。
とにかく女性を口説く感覚で勧誘することが、スカウトマンには求められます。
詐欺で訴えられないために
しかし、スカウトへの取り締まりが厳しくなってきたために、スカウトマンの業務内容が見直しされるようになってきました。
少しでも訴えられる可能性を減らすために
- 露骨にAV求人だとは言わない
- ギリギリのところで嘘はつかない
- アリバイ対策のためにグラビア・ファッション雑誌の仕事も用意しておく
- 女性が嫌がることは絶対にしない
などの施策が打たれているそうです。
事務所へ同伴する
スカウトした女性は、事務所へ連れて行きますが、AV事務所に抵抗を覚える女性も少なくありません。
そのため、AV事務所の多くは、①スタッフに女性を採用する、②所属AVタレントが遊びに来る環境を作るなど、初めて事務所に来た人の警戒心を解くために、常に事務所内に、女性スタッフやタレントがいる空間を作っています。
AVのスカウトの基本は、女性の警戒心を解くことだと、知り合いのスカウトマンは語っています。
クロージングする
最終的に、スカウトした女性が、AV出演への契約に同意しなければスカウトマンにギャラは発生しません。そのため、スカウトマンはクロージングするために、
- 今しかできない仕事だよ
- プロのメイクで綺麗になれるよ
- スタッフは皆プロだからいやらしがないよ
- 後で断ることもできるよ
などの常套文句を用いて女性たちを説得します。AV出演に対する不安を払拭してあげることと、美容面を押し出すことで女心を刺激することがクロージングさせるコツです。
悪徳AVスカウトマンの特徴
スカウトマンの中には、自分の利益しか考えずに女の子を陥れる悪徳スカウトマンもいます。ここではその手口について公開していきましょう。
偽名を使う
本名を名乗らなかったり偽名を使ったりするのは、違法行為による摘発を避けるための悪徳スカウトマンの手口です。
一般的なスカウトマンは、自分の本名はもちろん、所属しているスカウト会社やAVプロダクション名などはしっかり女の子に伝えます。
AVの仕事だとは言わない
スカウトの際、AVの仕事とは言わずに「映像の仕事」「芸能関係の仕事」と言って女の子の興味を引きます。
悪徳スカウトマンに声をかけられた女性には、面接で初めてAV求人だと聞かされた方は少なくありません。正規のスカウトマンならば、業務における説明義務をしっかりと果たします。
相場よりも高給であることを謳い文句にする
「一日で50万円稼げる」「君のレベルなら一ヶ月200万円も目じゃない」など、とにかく高収入であることをプッシュします。
AV女優は確かに高収入ではありますが、出演相場がないわけではありません。現在のトップAV女優よりも高収入を稼げるオイシイ話には注意すべきです。
強引に契約させる
AV出演に関して、女の子は本来慎重に考慮した上で契約をしなければならないはずです。それに対し強引に契約を迫ってくるのは、完全金儲け主義の業者の手口と考えて良いでしょう。
契約金が必要になると言ってくる
AVに出演する前に、プロダクションへの登録のための手数料を収めなければならないなどと言われたら、それは完全に悪徳スカウトマンの手口です。
このようなケースは相当質の悪い業者が裏で関与している可能性が高いので、「AV出演後にバックします」などと言われた場合であっても絶対に口車に乗せられないようにしましょう。
関係者からセクハラされる
悪徳スカウトマンが所属するプロダクションの多くは、悪徳プロダクションだと思ってください。スカウトを始めプロダクション関係者からセクハラを受けた女性も中にはいると言われています。
AV女優のスカウトが法的に問題視される理由
悪徳スカウトと優良スカウトの違いについて説明しましたが、スカウト自体が法的にグレーな行為であることは間違いありません。
ここで、AVのスカウトが法的に問題視されている理由について説明します。
職業安定法・迷惑防止条例
まず、AV女優のスカウトは、職業安定法に違反する可能性が高いです。
《引用》
何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。
引用:職業安定法44条
次の各号のいずれかに該当する者は、これを一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第三十条第一項の規定に違反した者
一の二 偽りその他不正の行為により、第三十条第一項の許可、第三十二条の六第二項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定による許可の有効期間の更新、第三十三条第一項の許可、第三十六条第一項の許可又は第四十五条の許可を受けた者
二 第三十二条の九第二項(第三十三条第四項、第三十三条の二第七項及び第三十三条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定による事業の停止の命令に違反した者
三 第三十二条の十(第三十三条第四項、第三十三条の二第七項及び第三十三条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
四 第三十二条の十一第一項の規定に違反した者
五 第三十三条第一項の規定に違反した者
六 第三十三条の三第二項において準用する第三十二条の九第一項の規定による事業の廃止の命令に違反した者
七 第三十六条第一項の規定に違反した者
八 第四十一条第一項(第四十六条において準用する場合を含む。)の規定による労働者の募集の業務若しくは労働者供給事業の停止又は第四十一条第二項の規定による労働者の募集の業務の廃止若しくは停止の命令に違反した者
九 第四十四条の規定に違反した者
引用:職業安定法64条
条文で定められた労働者供給にスカウト行為が該当するからですが、それに加え、東京都では迷惑防止条例により、性欲を刺激させる映像を撮影するための被写体への勧誘が禁止されています。
参考:「迷惑防止条例|警視庁」
準強姦罪
つまりAVへ出演させる目的でスカウトすること自体が、違法性が高いということです。
それを踏まえ、迷惑防止条例に引っかからなくするために、多くのスカウトマンは、雑誌モデルやグラビアなど芸能タレントを勧誘することを建前に、スカウトをします。
しかし、タレント活動を口実に、女性をAVにスカウトする行為は、準強姦罪に当たる可能性が高いです。
参考:「AVへの出演強要に強姦罪を適用 政府が緊急対策 – ライブドアニュース」
▷スカウトを含めAV業界に関する違法行為について詳しくはこちら
AV業界からスカウトが無くならないのは女性の確保が難しいから
以上のことからスカウト行為自体が、限りなくグレーに近いことがわかりました。実際のところスカウト自体が、AV業界から減りつつありますが、ゼロになることは難しいと言われています。
求人から問い合わせする女性が増えてきている反面、スカウトと比べると面接に来る女性の質が低いため採用に至る割合が少ないからです。
プロダクションにとっても、求人に頼るよりスカウトを使った方が、手っ取り早く女優さんを確保できる上に、コストを安く抑えることができます。
悪徳スカウトマンの勧誘に騙されないために必要なこと
最後になりますが、悪徳スカウトに引っかからなくするためにどうすればいいのでしょうか?
スカウトマンの勧誘の手口を知る
そのためには、まずはスカウトの手口を抑えるべきですが、そこでスカウトの主な特徴について以下にまとめました。
《スカウトの主な特徴》 | |
出没する時期 | 夏(雨の日は出没しない) |
出没する場所 | ・歌舞伎町 ・渋谷 ・原宿 |
ターゲッットにする層 | ・二人組 ・洋服の節々がボロい女性 ・金髪の根元が黒い女性 ・メイクが雑な女性 ・ファッションに力が入っている女性 |
二人組の女性は、警戒心が薄くなっているため狙われやすいと言われています。また、服装や髪型、メイクがいい加減な女性は、性格がだらしなく、優柔不断と見なされるため、スカウトに狙われやすいです。
また、ファッションに気合を入れている女性は、上京したての女性や、連休前の女性など、羽目を外したくて浮かれている傾向にあるため、スカウトにとって声をかけやすいでしょう。
出どころをきちんと確認する
スカウトの内容が気になる方は、まずはスカウトマンの名刺を貰った上で、その場を立ち去りましょう。そして出どころを確かめるために、名刺に記載された事務所名を、ネットで調べてみましょう。
ネット上での評判や、サイトの更新頻度を元に、ちゃんとした事務所かどうか判断するといいかもしれません。
また、実際に事務所に問い合わせをしてみて、本当に求人を行っているのかを確認しましょう。
公的機関へ相談する
もし、スカウトからの勧誘が断りづらくて困っている方は、公的機関へ相談してください。法的な面からどのように対処すればいいのかアドバイスをもらうことができます。
・法テラス
・法務局
・AV出演被害相談 | AV違約金 被害 ポルノ被害と性暴力を考える会 | PAPS
まとめ|AVへの応募は求人サイトを活用しましょう
もし、AVへの出演を考えている方は、求人サイトを活用することをオススメします。スカウトは業務の性質上、個人の利益を追求する傾向にあるからです。
当プロダクションでは、女優さんが少しでも働きやすい環境で働けるように、以下の点に配慮しています。
・業務上のリスク・ギャラに関する説明義務の遂行
・交通費・滞在費の支給
・所属タレントの意思を尊重した求人案件の紹介
もちろん営利目的で行っていますが、所属タレントとプロダクションの双方にメリットをもたらせるような、フェアな関係を目指しています。